研究分担者 |
冨田 佳宏 神戸大学, 工学部, 教授 (10031147)
菅田 淳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60162913)
小山 敦弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40324800)
川上 崇 (株)東芝, システムラボラトリー, 研究主幹
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研究概要 |
本年度は,種々の構造体,荷重形態に対して得られる転位網自己組織化による内部構造を非破壊的に同定する直視観察システムの開発を行った.既存の走査型電子顕微鏡(SEM)の電子線を断続的に試料表面に照射することにより,その電子線照射領域において熱波が発生する.その熱波は伝ぱとともに音波に変化し,内部への弾性波として伝搬する.その材料の熱的特性の相違から生じる波動特性の変化を試料裏面に設置された圧電素子(PZT)により電気信号として取出し,SEMモードでの表面観察と同時に非破壊的に内部観察を行う電子線誘起超音波顕微システム(SEAM)の開発を行った.まず,そのシステムの解像度に直接的な影響を与える極低雑音試料ホルダー系の試作を行った.すなわち,(1)照射電子線の断続回路の設計および既存の電子線発生回路との連結,(2)検出用PZT素子設置部の設計,(3)現有のSEM試料ホルダー取り付け部との連結機構の設計,(4)配線を含む試料ホルダーの真空仕様のための設計,(5)検出PZT素子の配線取出しのためのSEM真空容器バウンダリーポートの設計,(6)PZT素子出力超音波信号の位相差電圧変換システムの構築を行った.つぎに,多層膜界面に発生する転位組織を持つLSIチップや,単結晶ウエハーに積層したダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)薄膜材を用いて,直視観察システムで得られる超音波信号の検出を確認した.
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