研究分担者 |
石田 恭聡 マツダ(株), 技術研究所, 主任研究員
日野 隆太郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10283160)
岡田 達夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00233338)
石山 成志 住友金属工業(株), 総合技術研究所, 研究部長
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研究概要 |
本研究では,規則的に配列された多数の円孔をもつ多孔質板をコア層とし,薄板を表皮層とする3層構造の多孔質軽量板を考案し,その塑性変形挙動を明らかにすることを目的としている. 本年度は,銅板を素材として多孔質積層板を作製し,この多孔質積層板の基礎的塑性変形挙動および曲げ剛性を調べた.また,弾塑性有限要素法による応力解析を実施し,孔の配列に起因する面内異方性の要因などについて考察した.得られた主な結果は次のとおりである. (1)単一多孔質板(表皮なし)と多孔質積層板(3層構造)は孔の配列に起因する面内異方性を持つ.すなわち,●単一多孔質板の変形抵抗は,0°方向が最も高く,45°と90°方向が低くなる.●多孔質積層板の変形抵抗は,45°方向が最も高く,0°,90°方向が低くなる.このような単一多孔質板と多孔質積層板の違いは,孔間を連結する亀裂の方向にもみられ,表皮板が変形を大きく支配していることがわかった. (2)多孔質積層板の曲げ剛性は,同一重量の単一板,単一多孔質板に比べて極めて高く,軽量・高剛性という目標を満足していることが実験,解析の両面から確かめられた.
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