研究概要 |
半導体デバイスの材料となるシリコン基板ウエハの平面度形状は,デバイスプロセスのリソグラフィに極めて影響を与えるため,ウエハの平面度形状を高精度に計測することは不可欠である。特に、半導体デバイスの高機能化、低価格化に伴うチップの微細化とウエハの大口径化が進んでいるなかで、超大型ウエハのナノ計測は重要な課題になっている。本研究は、複数の角度センサを用いた自律的走査型形状測定法を開発し、次世代φ400mmシリコンウエハの形状を全面にわたって10nmの精度で高速に測定することを目的とする。本年度では、まずシリコンウエハ形状測定に必要な2次元角度センサについて検討した.2次元角度検出が簡単にできる理由から、角度検出原理をオートコリメーション法にした。シリコンウエハの形状誤差は小さいため、それを測定するためには、高い感度を持つセンサが必要になる。本研究では、オートコリメーション法を原理とする角度検出の高感度化のために,光位置検出素子を工夫することにした。その結果、4分割PDを利用する場合、直線性は落ちるものの、PDの光軸上における位置を焦点位置の付近で微調整することによって、レンズの焦点距離に依存せずに、きわめて高い感度を実現できることを明らかにした。これを基に試作したセンサは、コンパクトでありながら、0.03秒の微小角度変化がはっきり検出でき、角度センサの高感度化が実現できた。次に、エアスピンドル及び1軸自動ステージからなる実験用走査システムを構築し、その基本特性を調べた。試作したセンサ及び走査システムを使ったシリコンウエハ形状測定実験は来年度の課題となる。
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