研究分担者 |
楢原 弘之 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80208082)
幸田 盛堂 大阪機工(株), 技術本部・第一設計部, 主任研究員
三好 隆志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00002048)
高橋 哲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30283724)
|
研究概要 |
平成12年度は動的な液晶露光マスクを用いた非積層光造形技術の構築を目的とした基礎研究を行い,以下の研究成果を得た. 1.微小硬化単位での樹脂硬化基礎現象と造形精度の関係を調べるため,FDTD法(時間領域差分法)に基づいた樹脂硬化特性解析シミュレータを構築し,それを用いて液晶露光マスクと縮小露光光学系による光硬化性樹脂の硬化特性について明らかにした.本シミュレータは光硬化プロセスの時間的な変化を解析することが可能であり,適切な露光時間の制御によってマイクロメートルオーダの硬化制御が可能であることを示した. 2.液晶デバイスに濃淡画像マスク,連続動画像マスクなどを表示する液晶マスク駆動系,縮小レンズ光学系および波長488nmの高出力アルゴンレーザから構成される,液晶マスクパターン露光装置の設計および試作を行った.さらに,液晶マスクパターン露光装置に規制液面法による新たな樹脂硬化漕を組み込み,液晶光造形実験装置を構築した.なお,本装置では特別に調合した波長500nm以下の光で硬化する光硬化性樹脂を用いた. 3.液晶光造形実験装置を用いた3次元光造形法として,投影形状データをマスクとして用いた濃淡画像マスク露光法および3次元形状の断面データをマスクとして用いた連続動画像マスク露光法を提案し,露光量と露光時間によって硬化深さを制御できる液晶マスクパターン生成ソフトウェアおよび液晶マスク露光パターン制御ソフトウェアの構築を行った. 4.濃淡画像をマスクとした3次元光造形特性実験および液晶露光マスクを時間的に変化させながら面露光・硬化特性を調べる非積層造形実験を遂行し,液晶露光マスクを用いた非積層光造形技術の基本特性を明らかにした.本実験によって,従来の積層法では実現の困難であった,滑らかな表面を持った微小物体の短時間(数秒以内)造形が可能であることを示した.
|