研究分担者 |
松永 良一 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (30253488)
山崎 進 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (70037993)
竹増 光家 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40207006)
横井 道治 アイシン精機(株), 生産技術部・係長(研究職)
穗屋下 茂 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70109221)
|
研究概要 |
本研究では,乗用車トランスミッション用歯車の加工コストを大幅に低減するために,小型歯車の仕上げ加工用に開発実用化したねじ状工具による歯車仕上げ転造法と,超音波振動押出し加工法を組み合わせ,高強度で高精度な鉄系焼結合金歯車を高能率に生産できる複合加工システムを開発することを目的にしている.本年度の具体的研究実績は以下の通りである. 1.焼結合金歯車の歯すじ方向のフレキシブルなクラウニング成形を可能とするために,これまで使用してきたねじ式転造盤の素材送り機構にXYテーブルと2台のサーボモータを組み込み,加工中の素材の送り速度と工具への押込み量の設定を電子制御により逐次行えるようにした.これにより乗用車トランスミッション用歯車には必須とされるモジュールの10%を越える大きさのクラウニングを付与でき,かつそれが任意断面の転造歯形にほとんど影響を与えないことを実証した. 2.クラウニング加工制御の最適化を図るために,実験とニューラルネットワークを組み合わせた歯形解析を行い,転造後の理想的なクラウニング形状を得るための制御パターンを推論できるシステムを開発した. 3.標準ホブにより歯切りした焼結合金素材歯車を,これまでの実験結果を元に設計した5種類の修整ねじ状工具により仕上げ転造し,転造歯形について比較検討を行った.その結果,ホブの切り込み量とねじ状工具のピッチ点付近の修整中凹量の組み合わせを最適化することにより,目標とした歯形精度の転造歯形が得られる,修整工具による転造歯形は工具押込み量の変化に対して鈍感である,転造歯形は焼結材の転造前空孔率などの材料特性にほとんど影響されないことなどが実験的に確かめられた.
|