研究概要 |
物体の把持など,義手において最も重要視される機能のひとつである.しかし,実際の人間の手はきわめて複雑に動き,同様の機能を持たせたハンドを開発することは容易ではない.本研究では,設計の自由度が高く,軽量化,小型化に有利な超音波モータを用いることで,多物体の把持ができるハンドを開発する.この第1段階として,まず,小型の超音波モータを開発した.これはφ12のステータと同大のロータを交互に挟むサンドイッチ構造のモータである.ステータは,外周部をロータとの接触面とし,内側両面に圧電素子を張り付け両面駆動できるものとした.最初,拡大モデル(φ30)のモータを作りステータ数を増やすに従い,出力トルクが比例して増大することを確認した.次に,φ12のステータの試作を行い良好な振動を確認した.併せて,ハンド全体の機構を考案し,リンク機構を利用して物体の形状のそって適応的に把持できるものとした.また,ハンドの入力デバイスとして2軸ジャイロを製作し良好な応答を得た.第2段階では,モータを実際に組み込み把持実験を行う.
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