研究課題/領域番号 |
12555038
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
遠山 茂樹 東京農工大学, 工学部, 教授 (20143381)
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研究分担者 |
和田 博 ダブル技研(株), 代表取締役(研究職)
池田 恭一 東京農工大学, 工学部, 教授 (60313300)
田川 泰敬 東京農工大学, 工学部, 助教授 (20216807)
橋本 隆美 (有)ワイ, テイ・システム, 取締役社長(研究職)
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キーワード | 人工義手 / ハンド / 超音波モータ / ジャイロ / 指機構 |
研究概要 |
本研究では、超音波モータを用いたハンドの開発として、これまでに、駆動源となる超音波モータの開発を中心に進めてきた。今年度は、さらに、ハンド機構に超音波モータを組込み・コンピュータからの指令で動作するものを試作した。ハンドの再設計においては、特に指機構に着目し、義手利用者の心理的な負担を軽減するため、指の人間的な動きを目指した。製作したハンドは超音波モータを含め245gと軽量で、日常生活に必要な把持力を発揮でき、人間的な指の動きと把持姿勢を再現し、様々な形状の物体の把持が可能である。 人間の指先の2つの関節(遠位指節間関節、近位指節間関節)の運動は互いに依存しており、例えば、一番先の関節(遠位指節間関節)のみを屈曲させることは困難である。つまり、人間の指先端の2関節は、常にこの依存性に従い運動を行うことから、これを再現すれば人問的な動きが得られるものと考えた。機構解析シミュレータを用い指機構をモデル化し、この2関節の依存性を有する指機構を設計した。これにより、人間と同様の各関節の可動範囲、関節の依存性を有し、人間とほぼ同様の動きができる指のリンク機構を実現した。 この指機構を用い超音波モータ搭載のハンドを試作した結果、円筒のような物体の把持においては親指以外の4指に加わる力はほぼ一定となり、また、球やワイングラスのような複雑な曲面を有する物体の把持も容易であった。直径23mmの小型な物体も親指と人差し指で把持することができ、今後指先の形状を工夫することでさらに小さな物体を把持できる見通しがついた。また、水の入った500mlのペットボトル(504g)の把持も可能であり、日常生活に十分対応できる程度の把持力を発揮した。ハンドの入力デバイスとして2軸ジャイロと組合せることでより、さらに実用性を増すことが可能である。
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