研究概要 |
本研究では,25×25×25mm程度の立体的なマイクロ部品の三次元的な微細加工・高精度計測を行うための小型の精密加工機・三次元座標測定機の研究をおこなう.そのため,従来の直交座標型のスライドメカニズムを用いず,パラレルメカニズムを用いた超小型マシニング・メジャリングセンタ(パラレル・ナノMMC)を試作する.駆動・測定分解能は5ナノメートルオーダー,空間位置決め精度はサブミクロンオーダーを目指す. (1)直動ジョイントの製作 高精度な測長器とアクチュエータを組み込んだ直動ジョイントを製作した.具体的には,リニアガイドを用いた直動ジョイントに測長器となるリニア測長システム(測定分解能:2nm以下,ストローク:100mm)を組み込んだ.また,ナノメートルステップでの超精密位置決めを目標として,ハアクチュエータとして積層型圧電素子を用い,インチワーム機構を構成した. (2)直動リンク駆動プログラムの作成 直動リンクをインチワーム機構で駆動するための制御プログラムを作成した.内蔵したリニアスケールを用いないオープンループ制御プログラムと,スケールの値を用いるフルクローズドフィードバック制御用のプログラムを作成し動作を確認した (3)ジョイント回転誤差補正と熱変位補正 パラレルメカニズムではジョイントの運動誤差は機構の運動誤差の大きな原因であると考えられる.また,高精度の測定機では室温変動などによる熱変位の補正を行う必要がある.ここでは,変位計や温度計を用いずに,直動ジョイントの両端に設置する球面ジョイントの回転誤差の補正および直動リンク自体の熱変位を補正するための機構を組み込んだ.さらに,これらの補償がうまく作動しているかチェックするための実験装置を設計した.
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