研究概要 |
環境対応型脱フロン次世代冷凍機としてのアコースティックコンプレッサーの実用化に向けて、本年度は前年度までに得られた音響管形状による管内有限振幅定在波現象の基礎的検討と,実機動作条件下における圧縮機内波動現象より運転条件変化に対する応答の解析、および同一条件下での実験的検証結果に基づき、冷媒コンプレッサーとしての実用化を考慮した性能評価を行うことを目的とした。 解析においては、波動現象の物理量変化に応じて定まる冷媒物性値の算出ループを組み込んだ数値解析により、実際の作動状態のシミュレーションを行った。この結果,冷媒圧縮機としての基本動作および必要冷媒循環量の確保の理論的可能性が明らかにされたが,計算条件について、まだ改良の余地があることが明らかになった。 実験においては、実際の冷媒を使用して、冷凍サイクル下での圧縮機性能を評価することを目的とし、冷媒循環評価システムの設計を行うとともに、製作が完了した。この装置を用いて、初期状態からの圧縮機動作の開始、および実機作動状態に相当する間欠的動作の確認を行うこととしていたが、評価システムそのものの動作確認に時間を費やし、当初予定の試験には至らなかった。さらに、動電型アクチュエータを用いたバルブ開閉のアクティブ位相制御による冷媒循環量制御の可能性について検討し,高周波数応答アクチュエータ用素子のテストベンチを製作し、基本動作特性の確認を行った。
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