研究課題/領域番号 |
12555054
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
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研究分担者 |
永田 真一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60013182)
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
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キーワード | 熱工学 / 熱管理 / ヒートパイプ / 振動流 / 蒸発 / 凝縮 / 熱伝導 / LSIチップ |
研究概要 |
本研究では、高集積化・高密度実装への傾斜が急速に強まっているLSIチップの発熱密度を許容温度に冷却するためには、(a)チップからの発熱を一部でも再電力化し自己電源とすると同時に放熱負荷を低減する方法、(b)高効率に空気へ放熱する方法[(b-1)放熱面積の拡大、(b-2)高性能ヒートシンク、(b-3)導入空気温度の低温化]の開発が必要であると考えている。本研究では、上述の(b-1)の課題を解決するための実用化研究として、申請者らのこれまでの研究を背景として実用化に近い段階にある細径の気泡駆動型熱輸送デバイス(BD-HTD)を内蔵した薄型フレキシブル熱拡散プレートを光造形システムにより作成(初年度)し、notebook PC本体内部における放熱面積増大と液晶画面裏面への熱輸送を模擬した実験を行い、その性能を実証する(次年度)ことを目的とした。本年度は、以下の事を行った。 (1)本年度は、可搬型情報機器における冷却技術のポテンシャル評価として、(a)再電力化技術、(b-2)高性能ヒートシンク技術について、各技術に関するポテンシャルを評価し、例えばnotebook PCを例とし空冷を条件とすると25W/cm^2程度が限界であることを示した。 (2)光造形システムを用いて、厚さ1mm程度の薄型プラスティックプレートに内径0.5mm程度の細径蛇行流路を作成した。現有の光造形装置では作成精度に問題があり、改良を予定している。 (3)薄型フレキシブル熱拡散プレートの基本性能のテストについては、別途作成した内径0.8mm管においてR141bを作動液体とした場合に熱輸送管として作動することを確認した。現在は、長期間の蒸気透過性の問題のないCOSMOS-HPについてこの流路を使用して加振動力の測定や熱ダイオード効果の憲章などを行っている。 (4)作動状況の可視化については、極めて特徴的な流動様相が観察でき、R141bについてSEMOS-HPの基本的流動駆動機構と思われる"液柱の逆止弁効果"を提案した。
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