研究課題
基盤研究(B)
本研究では、圧電フィルムセンサと圧電セラミックアクチュエータや圧電ファイバーアクチュエータを用いて、自動車の構造部品を振動の起こさない知的複合材料に置き換え自動車の軽量化を実現することを目指した。即ちドアパネル、ステアリングホイールなどの部品の一部を制御・構造・材料の三者同時最適設計(システム融合設計)に基づき、知的複合材料で置き換え、その有効性を明らかにした。即ち圧電フィルムセンサと圧電セラミックアクチュエータや圧電ファイバーアクチュエータを用いて、自動車の構造部材を知的複合化する実用化研究を3年計画で行った。まず、圧電素子を埋め込んだCFRPとGFRPスマートボードを作製し、圧電素子によるヘルスモニタリングと振動制御を行った。圧電素子のインピーダンスの変化とニューラルネットワークを用いて、スマートボードの付加質量と穴の位置同定に成功した。また、複数の内蔵圧電素子を用いて、セルフセンシングアクチュエータによるスマートボードの高次モードの制御に成功した。アクチュエータについては、厚み方向に材料の成分を傾斜させることによって、屈曲型圧電素子を作製した。従来のバイモルフアクチュエータと比較して、材料特性の不連続による応力集中を緩和させ、10倍以上の耐久性を得た。設計方法について、今までの構造系と制御系の同時最適化設計に加えて、構造のトポロジーと制御系の同時最適の手法を提案し、板状部品に適用することによって、その有効性を確認した。更に、知的複合ドアパネルに相当するスマートボードの振動制御性能、遮音制御性能確認実験を行い、その信頼性と耐久性を調べ、実用に十分適応できる性能を有することを明らかにした。またステアリングホイールの振動制御性能の確認実験より、その信頼性と耐久性を調べ、実用可能性を有することを明らかにした。これらから、自動車用知的構造要素のシステム融合設計が有用であることを明らかにし、設計基準を作成した。
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