研究分担者 |
小西 義昭 日機装株式会社, 研究開発本部, 参事
山根 隆志 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 副研究部門長
岡田 養二 茨城大学, 工学部, 教授 (90007774)
妙中 義之 国立循環器病センター, 研究所, 部長 (00142183)
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研究概要 |
本研究の目的は,年オーダーの耐久性を有する小型補助人工心臓の実現のために,ターボポンプの磁気浮上・駆動系の小型化,高効率化を図ることである.本年度は磁気浮上型ターボポンプの駆動系の更なる高度化を図るために,ラジアル型浮上モータ,アキシャル型浮上モータの試作,改良を行った.ラジアル型浮上モータは径方向に磁気吸引力を発生させ扁平ロータを浮上させる方式である.昨年の改良の結果,磁束密度の飽和は回避できたが,軸方向の受動安定性が悪くなった.そのため,本年度は2次元磁場解析を行い,ステータ形状変更による軸方向受動安定性の向上を行った.その結果,ステータのロータに対向する部分の厚さを2.5mm分ロータと同等の厚さにすることで受動安定性の向上が図れることを見いだし,最大回転数2400rpm,最大発生揚程310mmHg,最大流量10L/minの磁気浮上遠心ポンプの開発に成功した.アキシャル型浮上モータは,ロータを上下のステータで挟む構造で軸方向に磁気浮上支持する.今年度は,より高機能化を目指すべく5軸制御のモータを開発した.上部ステータに設置した永久磁石で静的吸引力を発生するとともに,ロータの径方向に張り出したコイルで磁気浮上ロータの径方向位置制御を行う.下部ステータに軸方向制御用コイルと傾き制御用コイルを巻き付け独立に制御する構造とした.その結果,最大,1100rpmまで回転・ポンプ駆動可能な5軸制御磁気浮上モータの開発が行えた.今後、モータの改良、小型化を図り、ターボポンプと組み合わせ小型磁気浮上人工心臓の実現を図る。
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