研究分担者 |
小西 義昭 日機装株式会社, 研究開発本部, 参事(研究職)
山根 隆志 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 副部門長(研究職) (10358278)
岡田 養二 茨城大学, 工学部, 教授 (90007774)
妙中 義之 国立循環器病センター, 研究所, 部長(研究職) (00142183)
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研究概要 |
本年度は研究最終年度として,軸流ポンプ用専用の小型5軸制御型磁気浮上モータの研究開発および遠心ポンプ型小型磁気浮上ポンプの血液適合性試験を行った.5軸制御型磁気浮上モータでは軸流ポンプのインペラが形成される磁気浮上ロータの両端に磁気軸受をそれぞれ配置する構造を採った.両磁気軸受間にはハイブリッド型磁気軸受構造をとるためのバイアス磁束発生用永久磁石と回転制御用のモータステータを配置し,ロータのインペラ底部に回転制御用の永久磁石を埋め込むことにより,超小型磁気浮上モータを実現した.3次元磁場解析を行い,磁気軸受吸引力とモータ吸引力の干渉下でも磁気浮上および回転制御が可能な磁気軸受とモータの設計,開発を行った.開発した小型磁気浮上モータは長さ92mm,モータステータ最大直径48mmである.回転数10,000rpmにおいて10mNm以上のトルクが発生可能であることを確認し,十分に人工心臓に使用可能なトルク発生特性を有していることを確認した.磁気浮上回転が可能な最大回転数は16,000rpmであり,磁気浮上インペラの軸方向,径方向の回転時最大振動振幅は0.135mm,0.252mmと小さく,高性能な磁気浮上・回転特性を実現した.補助人工心臓としての使用域である回転数8000rpm,負荷トルク4mNmの条件下における総消費電力は12Wであり,十分に体内に埋め込める消費電力,効率であることも確認した.遠心ポンプ型磁気浮上ポンプの血液適合性試験結果は,4時間の駆動でも溶血量が13mg/dlと低く,磁気浮上ポンプが非常に良好な血液適合性を有していることを実証した.以上の研究により,人工心臓用磁気浮上・駆動系の小型化,高効率化に関して十分な成果を上げることができた.現在,5軸制御型磁気浮上モータの動物実験用の軸流ポンプシステムへの組み込みを行っており,来年度に動物実験を開始する予定である.
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