1)高齢者特性の追跡調査 3年前に調査した秋田県鷹巣町の高齢者41人のデータに関して、追跡調査を行い、24人のヒアリング・実験、12人のアンケートデータを採取した。3年間のライフスタイルの変化はあまりないものの反応特性データには加齢の影響が顕著に出ており、意識にあまりなく身体特性劣化があることに注意が必要であることがわかった。さらに、住居地区とモビリティ、運転能力と身体特性の間の関係を考察し、モビリティ確保の必要性、自動車等移動手段の重要性、簡易自動車の操作インターフェイスへの必要要件などについて検討を行った。ここで得られた情報を、シミュレータにおける実験条件設定や支援技術開発、訓練プログラム構築につなげていく。 2)シミュレータシステムの構築 新規導入した6軸モーション装置を使ったドライビングシミュレータシステムの構築作業を行った。装置の搬入が10月であったので装置の基本動作試験、ソフトウエア開発環境の整備、などを装置関連作業として実施するとともに、モーション付きとなるため、画像、車両運動計算などのプログラムも全面的に見直しを行い、開発に着手した。また、装置の上物となる、運転操作系については、基本構想をまとめ、一部製作に着手した。以上のように、今年度はシステムとして動くところまでの到達で、次年度以降、装置を完全に完成させて、高齢者特性を調べる部分や訓練部分などの構築と被験者による実験を行っていく予定である。
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