研究概要 |
リハビリテーション訓練においては、専門家がマン・ツー・マンで行わなければならない複雑な訓練も多く存在するが,筋力強化訓練や関節可動域訓練など,比較的単純な動作を繰り返す訓練も多く行われている.病院等では,様々な機器を用いてこれらの訓練を行っている.しかし,訓練内容ごとに専門の機器を必要としたり,単純作業の繰り返しが精神的苦痛を与えたりするなどの問題点も存在している. これらの背景をもとに,本研究ではMR流体を用いた高性能・高機能なアクチュエータおよびブレーキを開発し,さらに開発したアクチュエータおよびブレーキを用いたリハビリテーション訓練システムにより,訓練効果が大きくアミューズメント性も有するリハビリテーションシステムを構築する. 平成14年度に得られた成果を以下に示す. (1)ロボットの運動学評価およびベルト等の駆動伝達系について研究を行い,リハビリテーションシステムを構築する際に必要となる知見を得た. (2)MR流体を用いたアクチュエータ・ブレーキのさらなる高速化を目指し、ケイ素鋼板を用いたデバイスを開発した.磁場応答のさらなる高速化が実現された. (3)MR流体ブレーキによる等運動性訓練リハビリテーション装置を開発した.出力トルクのレンジが大きく,高速応答であるため,各種スポーツのトップ選手の訓練にも用いることができる. (4)MRアクチュエータ・ブレーキを複数個使用したリハビリテーション訓練システムの基礎を構築した.このシステムにおいては,バーチャルリアリティにおける力覚提示技術を用いている.
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