研究分担者 |
服部 元史 神戸大学, 工学部, 助手 (00252792)
小黒 啓介 産業技術総合研究所, 技術情報部門・技術情報調査室, 室長(研究職)
高森 年 神戸大学, 工学部, 教授 (10031098)
徳田 献一 神戸大学, 経済学部, 助手 (60335411)
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研究概要 |
本研究は布の繊細な手触りを仮想現実としてディスプレイすることを目的としており,この問題の最大のボトルネックである手指への新しい機械的インターフェースを開発する.研究代表者らのこれまでの研究成果を発展させ,イオン導電性高分子ゲルアクチュエータを利用することによって,これまで問題であった高い柔軟性,高い運動自由度,微小な分布力の制御,皮膚刺激方向の制御,を可能にする.それによって,様々な布の微妙な手触りを仮想呈示,遠隔電送できるシステムを創り出すことを目指している. 平成14年度は,触運動可能な装着型繊毛ハードウェアの開発および触運動に応じた触感呈示手法について研究を行った.具体的には,1.触運動可能な触感呈示機構の開発 高分子ゲルアクチュエータを用いて手先に装着可能な軽量小型刺激発生デバイスを試作し,手先位置を測定して触運動に応じた刺激を呈示するシステムを開発した. 2.触運動に応じた刺激の呈示手法の提案と実験 機械受容単位の応答特性を考慮し,速度・加速度に応答する受容器を効果的に刺激することで,触運動の速度,加速度に応じた触感を呈示する手法を提案し,触感評価実験により,自然な手触りを呈示できることを確認した. 3.繊毛機構と共配置可能な触運動センサの開発 アクチュエータの高分子ゲルをセンサとして利用するための要素研究を行い,分布配置したゲル膜から速度ベクトルを推定する触覚センサを開発し,触運動センサヘの基盤を作った. 4.研究の総合評価とまとめ 本研究の新しいハプティックインターフェースが,布を触ったときの摩擦感やざらざら感,触運動に応じた自然な手触りを呈示できることを確認した. 以上のように,3年間の研究によって,本研究の目的である布の手触りを呈示する触感ディスプレイの基盤を作ることができた.
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