研究課題/領域番号 |
12555090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 健二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50127073)
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研究分担者 |
三輪 司郎 ソニー(株), 環境解析技術部, 係長
小林 一 ソニー(株), 環境解析技術部, 主任研究員
中嶋 薫 京都大学, 工学研究科, 助手 (80293885)
佐鳥 浩太郎 ソニー(株), 環境解析技術部, 係長
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | ゲート酸化膜 / ラザフォード後方散乱法 / SIMS / 高分解能 / マトリックス効果 / 窒素分布 |
研究概要 |
現有の加速器の高圧電源を安定性の良い高性能高圧電源に置き換える改良を行い、イオンチャネリングを併用した高分解能RBS法による、極薄シリコン酸窒化膜(膜厚約2nm)中の窒素分布の高精度測定の可能性を探った。その結果、窒素の深さ分布を1at.%程度の精度でサブnmの深さ分解能を持って測定できることが判った。 次に、極薄シリコン窒酸化膜(〜2nm)を種々の方法で窒化して作成したシリコン窒酸化膜中の窒素分布を、高分解能RBS法と2次イオンと質量分析法(SIMS)で測定して得られた窒素分布を比較した。その結果、SIMSにおいては、表面の1nm程度スパッタ収率が異常に大きくなっていることが分かった。このために、SIMSの測定においてはスパッタ時間から深さを評価する際に線形関係を仮定することは、数nmの厚さの領域では問題がある。この効果を取り入れたスパッタ時間から深さへの変換方法を提案することができた。さらに、SIMS測定の窒素濃度が、いわゆるマトリックス効果のために、窒素濃度が高いときには過小評価となり、窒素濃度が低いときには過大評価となっていることがわかった。この結果から、SIMSの窒素濃度に関する補正法を提案できた。以上の研究から、SIMSに夜極うすのシリコン窒酸化膜中の窒素分布の測定に関して、従来の半定量的な測定結果を、深さと濃度の両方に関して定量化する方法を確立することができた。 シリコン窒酸化膜中の窒素は、多くの場合下地のシリコンと酸化膜の界面に局在することが知られている。これは、酸化膜とシリコンの界面に存在する歪が窒素の導入により緩和されていることが原因の1つであると考えられている。このことを確かめるため、界面の歪が少ない事が知られている、オゾン酸化膜を窒化して窒酸化膜を作成して、その窒素分布を、通常の熱酸化膜を窒化した場合と比べてみた。その結果、予想に反して、オゾン酸化膜を窒化した場合でも、窒素は主に界面に存在することが分かった。
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