研究課題/領域番号 |
12555092
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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研究分担者 |
豊島 義明 株式会社東芝セミコンダクター社, マイクロエレクトロニクス研究所, 主査
品田 賢宏 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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キーワード | シングルイオン注入法 / 半導体 / ナノ物性制御 / 不純物位置制御 / 触媒位置制御 / カーボンナノチューブ / 集束イオンビーム法 / 液体金属イオン源 |
研究概要 |
本研究課題では、(1)極微半導体の電気的特性制御、(2)実用的なナノプロセスの基盤構築、を目的として研究活動を展開してきた。最終年度において半導体デバイス中の不純物原子の位置が電気的特性に与える影響を初めて実験的に検証した他、シングルイオン注入法の特徴と合わせて多様な元素を固体中に導入する術を得たことから、新たな研究の流れが芽生えた。 (1)不純物原子位置制御によるシリコン細線電界効果トランジスタ(FET)の閾値電圧制御 シングルイオン注入法を用いて不純物原子の位置が制御されたFETを作製し、閾値電圧を測定した。規則的に配置した場合、ランダム配置と比較してゆらぎが小さく、約2倍閾値電圧が小さいことが判明した。これは、不純物原子が作るクーロンポテンシャル間の相互作用によりチャネル領域の電位が低下し、より低いゲート電圧でチャネルが形成されたことを示唆している。 (2)シングルイオン注入法によるNiイオン注入部位へのカーボンナノチューブ/繊維選択成長 カーボンナノチューブの成長位置を制御するために、シングルイオン注入法を用いて任意の場所に触媒金属の導入を試みた。Niイオン注入に続いて、プラズマCVDによるカーボンナノチューブ/繊維(CNF)の成長を試みたところ、Ni注入部位に選択的にCNFが成長することを確認した。 (3)イオン照射減速エッチング現象を利用したゲート電極付シリコン電界放出素子配列の作製 当研究室で発見したイオン照射減速エッチング現象を利用したシリコン電界放出素子配列作製プロセスを考案した。自己整合的なプロセスによりマスク合わせなしで、電子銃とゲート電極を同時に作りこめることが特徴である。Niイオンを用いることによって頂点にNiを含有するピラミッドを形成することが可能であり、先端からCNFを成長させることによって電界放出素子の高性能化への見通しを得た。 (4)シリコンナノ構造配列基板上への機能性有機分子の単分子固定 従来の半導体電子デバイスと機能性有機分子の融合による新機能デバイスの開発に着手した。このためには、決められた個数の有機分子を任意の位置に固定する手法の確立が必要となる。ナノ構造配列の有する形状(ナノスケールサイズ、ピッチなど)および性質(親水/疎水、表面電位、共有結合など)を利用して、ナノ構造上に1個ずつ分子を固定する手法を考案した。これまでに、ナノエッチピットの1個1個にポリスチレン微粒子(粒径100nm)を1個ずつ埋め込むことに成功した。
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