研究分担者 |
加藤 正美 三洋電機(株), ハイパーメディア研究所, 主管研究員
伊藤 嘉浩 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (50335098)
石橋 豊 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (40252308)
鈴木 隆宏 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (70262954)
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研究概要 |
無線回線の劣化・中断・容量変化に対処するための連続メディア伝送・メディア同期方式を前年度に引き続き検討するとともに,端末間同期制御方式の研究も行った.移動体通信システムとして,WaveLAN(IEEE802.11準拠無線LAN),64kbpsベアラ対応PHS,そしてBluetoothを用いた.検討項目と得られた結果は以下の通りである. まず,前年度に提案した連続メディア再送制御方式RVTRを用いてビデオ・音声を伝送し,バースト誤りが生じた場合の蓄積メディア同期品質を実験により測定した.その結果,RVTRは,再送を行わない方式に比べてメディア同期品質を改善できることを示した. 次に,昨年度に提案したPHS64kbpsベストフォートサービス用連続メディアトラヒック制御方式のメディア同期品質を実験により評価した.特に,同じ基地局内で意図的に回線容量を変更できる屋内実験と,公衆基地局間のハンドオーバにより回線容量を変更する屋外フィールド実験の両方により,提案方式の有効性を実証した. また,BluetoothによりLANアクセスをするシステムにおいてビデオと音声とを伝送し,Bluetoothのパケット種別がメディア同期品質に及ぼす影響を実験により評価した.実験においては,無線LANなどの直接拡散システムからの干渉を模擬的に発生させるための擬似無線環境を研究室内に構築した.続いて,同じ実験システムを用いて,RFCOMM Maximun Frame Sizeとベースバンドパケットペイロード長のセグメンテーション不整合が,スループットとメディア同期品質に及ぼす影響を評価した. 更に,WaveLANとIP有線網とを統合した屋内実験網を構築し,端末間同期制御を行った.有線網側の一つのサーバから,一つの無線端末ともう一つの有線端末とに,ビデオ・音声をマルチキャスト伝送した.無線端末がハンドオーバする場合に端末間同期制御方式を適用し,その有効性を定量的に示した.
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