研究課題/領域番号 |
12555114
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小野 光弘 山形大学, 工学部, 教授 (60007010)
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研究分担者 |
山本 哲也 山形大学, 工学部, 助手 (30312755)
平田 拓 山形大学, 工学部, 助教授 (60250958)
下山 雄平 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50123948)
鈴木 洋介 キーコム(株), 開発, 技術部・取締役部長
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キーワード | EPR / ESR / FM / CW / 周波数変調 / 連続波 / 電子常磁性共鳴 / ループ・ギャップ共振器 |
研究概要 |
生体のインビボ(生きたままでの)計測Lバンド(1-2GHz)CW(連続波)-EPR(電子常磁性共鳴)法においては、変調磁界による渦電流の影響により試料挿入ループ・ギャップ共振器が振動する。そのためCW-EPR装置の高感度化が妨げられている。本研究においては、共振器の振動の問題を解決するために磁界変調の代わりに搬送波に周波数変調(FM)を掛けて高感度化を図る方法を提案している。本方法の特長は共振器の周波数が、時間的に正弦状に変化する発振周波数に、或る誤差の範囲で追従することである。このことにより共振尖鋭度Qの高い共振器を用いることができる。そのことにより高感度化が図られる。FM-EPR法の感度を従来のCW(連続波)-EPR法と比較するために、実験に用いるEPR装置は同一のものを用いた。FM-EPRに必要なマイクロ波回路素子は可変周波数ループ・ギャップ共振器である。これはCW-EPR共振器に可変容量ダイオードを付加して用いた。他に変調信号コントローラを設計して用いた。実験の結果、共振器の周波数は発振器の周波数に或る範囲で追従していることが確かめられた。FM-EPRとCW-EPRの信号対雑音比(SNR)はそれぞれ12.4及び10.5であった。約10倍の高感度化を目指しているが現段階では同等の感度に留まっている。これは可変容量ダイオードのQ値の向上を図ることにより解決できる見込みである。 ラットなどの生きた試料を挿入することにより共振器の周波数が変動するので、これを防止するための自動周波数制御回路の付加が今後の課題である。
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