研究課題/領域番号 |
12555117
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20150493)
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研究分担者 |
久原 哲 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00153320)
笹田 一郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (20117120)
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
糸崎 秀夫 住友電気工業, 伊丹研究所, 部長(研究職)
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キーワード | SQUID磁気センサ / 高温超伝導 / 磁気微粒子 / 抗原-抗体反応 / 免疫反応 / 磁束ノイズ / グラディオメーター / 磁気マーカー |
研究概要 |
本研究では高温超伝導SQUIDを用いた磁気的な免疫反応検出システムを開発している。本方法ではナノメーターサイズの磁気微粒子を測定用のマーカーとして用い、このマーカーからの信号磁界をSQUIDセンサにより検出する。SQUIDの高感度性を利用することにより、本方法は従来に比べて10倍高感度に免疫反応の検出が可能であることをこれまでに示してきた。 今年度の研究ではシステムをさらに高感度にするための方法について研究した。すなわち、システム雑音を減少させるとともに、磁気微粒子からの信号磁界を高める方法について調べた。その結果、システム雑音の改善には平面形グラディオメータが有効である事を明らかにした。これは、外来の残留磁気ノイズがグラディオメータにより効果的に除去出来るためである。その結果、システム雑音を従来に比べて1/5に低減できることを示した。 一方、磁気微粒子からの信号磁束を高めるためには、磁気微粒子を磁化するための印加磁界を大きくすることが有効であることを示した。磁気微粒子からの信号磁界の大きさは印加磁界に比例して増加し、その結果システムのSN比が改善されることを示した。現在のところ印加できる磁界の大きさは30mTである。 磁気微粒子からの信号磁界を大きくするもう一つの方法として、磁気微粒子に残留磁気を持たせる方法を調べた。この場合には、SQUIDシステムの外で大きな磁界(B=0.1T)を印加し微粒子に残留磁気を発生させ、この残留磁気からの信号磁界をSQUIDにより計測する。この方法の有効性を確かめるため、直径が25nmの磁気微粒子を用いて測定した結果、この場合には1pgまでの微粒子の測定が可能であることを示した。今後これらの結果を発展させることにより、本システムの性能をさらに10〜100倍改善することは可能であると思われる。
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