研究課題/領域番号 |
12555126
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
梅原 秀哲 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70151933)
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研究分担者 |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
杉戸 真太 岐阜大学, 工学部, 教授 (60115863)
睦好 宏史 埼玉大学, 工学部, 教授 (60134334)
岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60232716)
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キーワード | 阪神淡路大震災 / 動的応答解析 / せん断破壊 / ラーメン高架橋 / 地震動加速度波形 |
研究概要 |
阪神淡路大震災で被災したコンクリート橋では、多くの部材がせん断破壊先行型の破壊モードを呈していた。しかし、せん断破壊先行型の橋脚でも甚大な被災を免れているものも少なくなく、被災したものと被災していないものすべてについて挙動を解明し、そのすべてを矛盾なく説明できて、初めて事実が明らかになると思われる。本研究は、阪神淡路大震災によるコンクリート橋の被災の程度に関わらず、個々の橋に対して入力地震動を同定し、精度良く応答を解析し、被災状況と比較することによって、入力地震動の同定方法や動的応答解析手法の妥当性を検討し、より精度の良い耐震診断方法を確立することを目的としている。 平成12年度は、山陽新幹線のラーメン高架橋を対象として、被災した高架橋と被災していない高架橋を5種類選び、個々の高架橋に対して、形状寸法、使用材料や配筋詳細および被災状況を調査した。さらに、測定された阪神淡路大震災の強震動記録をもとに、工学的基盤での地震動を推定した。そして、各高架橋の緯度・経度を入力することにより位置を特定し、その位置での地震動を同定するとともに、N値等の地盤特性を入力して地盤応答解析を行い、高架橋地表面での地震動加速度波形を求めた。これらの地震動加速度波形をもとに3次元非線形動的解析手法を用いて応答解析を行った結果、解析結果と実被害が一致したものが半数しかないことが明らかとなった。入力地震動の精度、コンクリートや鉄筋などの材料強度のばらつき、さらにフーチングや支持杭の影響を考慮していないなどが不一致の原因と考えられる。次年度は、これらの要因を調べ、入力地震動の同定方法や動的応答解析手法の妥当性を検討する予定である。
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