研究概要 |
最終年度の研究成果として下記の結果を得た. 【谷口健男】最終年殿研究目標は数値解析結果を改良するのに必要なモデルの改良法である.対象系が扱う点数の膨大さを考慮すると,既存モデルの一部修正に必要な点削除・追加を可能とする手法であることから,その具体的方法を提案した.同時に,その一環として採用した手法の特徴として,厚さがない要素を生成する恐れがあることから,そういった要素の除去に関する研究を行った.次に,対象問題の特性としてその数値解は境界層部分のモデルに大きく支配されることが知られていることから,境界層部分の良好なモデル作成法の提案を行った. 【樫山和男】既に提案した流れ解析プログラムを並列計算機の機能を利用できるようにチューニングを行い,その性能確認実験を行った.数多くの数値実験結果から,目指していた性能を発揮できていることが確認できた.次に,メッシュ生成技術の内,並列計算機利用を目指したとき不可欠な領域分割法の検討おこなった.また,地形風が微視的地形ファクターに大きく支配されることを考え,地形形状の高精度化手法の開発を行った.その結果,従来の方法に比べ高精度な地形表面形を高速で生成することに成功した.この新しい方法では地勢線(河川や山の稜線など)を等高線データから生じさせて,それら作り出した地勢線情報を取り入れている. 【比江島慎二】広い領域の中で対象とする物体周辺近傍の流れだけを詳細に解析するため,領域全体を粗いメッシュで解析し,その流れ情報を別途細かいメッシュ分割を施した物体近傍領域の小領域に境界条件として取り込む一種のズーミング手法を検討した.両領域の接続部分で,要素節点が一致するようにメッシュ分割を行い,全体領域から小領域への一方向でのデータのやりとりで解析したところ,物体近傍の流れについて妥当な解を得ることができた.
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