研究分担者 |
丸山 收 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (50209699)
大野 春雄 攻玉社工科短期大学, 工学部, 教授 (50191945)
片田 敏行 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (30147897)
山本 欣弥 攻玉社工科短期大学, 工学部, 助教授 (50259024)
須藤 敦史 (株)地崎工業, 土木部技術課, 主任研究員
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研究概要 |
本研究の主題の一つは,都市ライフラインの地震リスクを定量的に評価し,その地震リスクをいかに低減するかを検討する地震リスクマネジメントである. 地震は確率事象であるため,本研究では確率理論に基づいて地震リスクを,被害事象の発生確率と被害事象に伴う損失値との積である期待損失値で表す「狭義のリスク」と,発生確率を伴う損失値で表す「広義のリスク」によって明確に定義した.広義のリスクを用いることによって,地震保険等による地震リスクの転嫁の検討を客観的に行うことが可能となる.さらに,システムの経年劣化や維持管理による影響を考慮した,いわゆるライフサイクルコストの問題にも応用が可能である. 狭義の地震リスクを考えるとき,地震リスクを低減するためには,被害の発生確率を小さくする「リスクの予防」と,被害に伴う損失値を小さくする「リスクの軽減」とがある.リスクの予防対策としては,構造物の耐震補強等がある.また,リスクの軽減対策としては,システムの冗長性(Redundancy)を増加させる方法等がある.本研究では,システムの冗長性を客観的に表す指標として冗長性指数R_Eを提案している. 冗長性指数R_Eは,情報エントロピーを用いて定義されている.冗長性指数R_Eと同様に,情報エントロピーを用いてシステムの冗長性を定量的に表す指標をZihaが提案している.Zihaの提案している冗長性指数R_ZとR_Eとを解析用に作成した供給系ライフラインモデルを用いて比較した結果,供給系ライフラインを解析対象とする場合には,冗長性指数R_Eが優れていることがわかった.冗長性指数R_Eは,システム内の弱点の評価および地震被害軽減のための改善計画の評価等への応用が可能である.
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