研究概要 |
本研究では建設廃棄物を地盤材料,地盤安定材料にリサイクルすることを提案し,実際に現地試験施工を行い,施工後の動態観測を実施し,その実用性を確認することを最終的な目的としている。そこで,これまでの研究成果も踏まえて以下のように研究を進展させ,4年目には新たな施工方法およびリサイクル技術を確立する。そのために,4年間の継続研究の2年度は昨年度の研究成果を踏まえ,以下の研究を実施した。 1)<ALC廃材の再利用試験施工現場の動態観測> すでに現場で施工した道路の沈下,側方変位等の動態観測を本年度も継続し,軽量地盤材料としてのALC廃材の再利用方法の有効性を引続き検討し,良好な結果を得た。 2)<固化材を添加しないALC廃材の粒状体としての力学的特性の把握> 固化材を添加したALC廃材については軽量な地盤材料として道路路床にリサイクルできることが明らかになっている。また,粒状体としてのCBR値,内部摩擦角等の概略値は咋年度に測定した。本年度は,引き続き強度試験を実施すると共に,本年度購入した定歪み圧密試験装置により圧縮・割裂強度および磨り減り抵抗などを測定した。しかし,十分なデータの蓄積が行われていないので,次年度以降も継続して実験を行う予定である。 3)<建設残土の100%リサイクル法の検討> これまでの研究成果を踏まえ,建設分野でリサイクルの最も遅れている建設残土の100%再利用法の提案のために,残土の分別の方法さらには特に細粒土の利用方法について検討した。その結果,検討した試料については固化材の添加により強度的には条件を満たすことが明らかになったので,次年度以降は,土壌中の重金属類の分析を行い,環境の面からの検討を行う予定である。
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