研究概要 |
(1)オプティカル・フロー推定手法の整理,適用可能性の検討 対象画像の全画素に対してオプティカル・フローを推定するための手法としては,(a) Gradient-Based Approach (b)Area-Based Approach に大別される。上記アプローチに分類される手法を整理し,空間分解能10cm,撮像間隔1/30sの高度プラットフォームから撮影した実動画像に対し,適用可能性を検討した。その結果,Area-Based Approachに属する手法の方が安定した結果を得られることを確認した。 (2)オプティカル・フローと背景差分を用いた車両挙動認識手法の開発 (1)によって得られたオプティカル・フローのみによる車両の認識可能性を検討した。車両認識のためには,更なる情報が必要であるという結果を得た。そこで,人間における動物体認識方法に対し,認知科学における研究をレビューした。視覚情報は,空間,時間,色空間に関連付けられる。動物体認識に対し,特に時間に関連する情報が重要である。空間-時間に関連する情報としてオプティカル・フローが位置付けられ,色空間-時間に関連する情報として,背景差分値が重要であることを確認した。以上の整理より,車両挙動を認識するために,オプティカル・フローと背景差分値を併用した画像分割による車両挙動認識手法の開発を行った。 (3)提案手法の有効性の検討 (2)において構築した認識手法を,(1)と同様の実動画像に適用した結果,77台の車両に対し,100%の認識結果を得,手法の有効性を確認した。また,空間分解能,時間分解能に対する認識精度の検討を行い,空間分解能に対しては,分解能50cmまで,安定した結果を得られることを確認した。
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