研究分担者 |
一宮 一夫 大分工業高等専門学校, 助教授 (00176306)
大谷 俊浩 大分大学, 工学部, 助手 (00315318)
清原 千鶴 大分大学, 工学部, 助手 (00284787)
上田 賢司 株式会社さとうベネック, 技術開発室, 副長
竹田 吉紹 西日本工業大学, 工学部, 教授 (70125160)
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研究概要 |
本研究では,レディーミクストコンクリート工場から排出される廃棄物(スラッジ水およびスラッジケーキ)を未利用資源として最大限に活用した完全リサイクル化を検討し,その実用化システムの構築を目指した。得られた成果の概要は下記のとおりである。 (1)セメントペーストから製造したセメント汚濁水(擬似回収水)を無機系凝集剤で処理した処理水(上澄み水およびスラッジ水)について,沈降速度や沈降体積,pH値,濁度などを測定し,無機系凝集剤の最適な混入量を求めた。さらに,無機系凝集剤で処理した処理水を用いてセメントペースト供試体(W/C=35,45,55%)を作製し,セメントペーストの基礎的な特性である強度および乾燥収縮ひずみを測定し,凝集剤の影響を明らかにした。 (2)スラッジケーキを乾燥,微粉砕して微粉砕乾燥スラッジ(PDS)を製造したが,PDSの製造においては風圧を利用した装置(ハイパーサイクロン)を使用した。乾燥スラッジの含水率や粉砕時の風量などPDSの製造条件を変えた場合について,PDSの粒度分布や比表面積,密度,化学成分など品質の違いを測定した。その結果,基本的には粉末度が5,000cm^2/g程度のPDSを容易に製造できることを確認すると共に,30,000cm^2/g程度の超微粉末も製造できることを確認した。 (3)PDSを混入したコンクリートの最適調合を求め,強度試験や乾燥収縮試験を行った。その結果,コンクリートの性能を確保する上で,PDSを内割混入でセメント量の10%程度までは混入できることを明らかにした。また,PDSを高流動コンクリートの粉体材料として利用した場合,容積調合で30%程度のPDSを混入できることを明らかにした。 (4)処理システムを構成している風力を用いた粉砕処理装置の応用例として,鋳物工場から排出される鋳物ダスト(乾式廃棄物)を粉砕加工処理した。その結果,処理前と比較して丸みを帯びた粒子が得られ,これをコンクリート用混和材料として利用するため強度と乾燥収縮に関する基礎データを収集した。
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