研究課題/領域番号 |
12555168
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近江 隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005451)
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研究分担者 |
鎌野 邦樹 千葉大学, 法経学部, 教授 (00204610)
小林 秀樹 国土交通省建築研究所, 第一研究部, 室長(研究職)
大西 誠 都市基盤整備公団, 再開発部市街地再開発課, 課長(研究職)
山口 育雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90302174)
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キーワード | 建物の区分所有 / マンション / リニューアル / スケルトン-インフィル / 立体基盤 / 都市再開発 / 部分建替え / 建替え |
研究概要 |
既に供給されている膨大な量の区分所有建物(マンション等)のリニューアルを可能とさせる新たな方法として、「区分所有建物の部分建替え」についての考え方を解明することを目的としている。本年度はまず昨年度の検討結果をまとめマンション学に発表すると共に、各論としての部分建替えの具体の方法論に立ち入った検討を行った。また、類似の実績を参考とするため、宮城県、福岡県、大阪府、堺市、静岡市の公営住宅の2戸1化と増築、堺市の公団分譲住宅における増築の各事例を調査した。その結果の要点を以下に述べる。 2戸1化の場合は、隔壁及び床の帰属、すなわち専有部分か共用部分か、全体共用か一部共用か規約共用かによる対応の違いを整理した。特に無隔壁区分所有概念を限定し、新たに現行法での実態に即した開放可能隔壁という概念によって、2戸1化の現行法上の可能性と法改正による可能性とを区別した。また、各部分の境界の法解釈により実施可能性の判断や技術的対応が異なるため、そのパターン別に2戸1化の可能性を整理した。さらに、耐力壁か否か、壁の再生における技術基準等について検討した。増築の場合は、従来の住戸(専有部分)の増築だけでなく、共用部分のみの増築等、増築の多様なありようを提案しながら、その可能性について問題点を整理し、増築パターン別の対応方法を提案した。その他、マンション建替えの法整備や区分所有法の改正議論を踏まえて、区分所有関係の解消、コンバージョン等の部分建替えを遂行する上で重要な論点について整理した。
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