研究課題/領域番号 |
12555172
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山田 裕 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (10242835)
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研究分担者 |
研谷 昌一郎 岩谷瓦斯株式会社, 設計担当・課長(研究職)
西郡 至誠 島根大学, 機器分析センター, 助教授 (50273917)
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キーワード | 1Kクラス冷凍機 / ジュールトムソン膨張 / 圧力中比熱 / ^3Heガス |
研究概要 |
本研究は1Kクラス冷凍機の開発とそれによる圧力中比熱測定装置の作成が目的である。 本年度は昨年度考案したヘリウム3循環型GM-JT式1Kクラス冷凍機の具体的な製作を行い、その特性の評価を行った。 本装置のコンセプトは小型で簡便であり、かつ1Kクラスの温度を液体ヘリウムを用いることなしに長時間維持することにある。このことから従来の方法とは異なりコンプレッサーによる加圧は用いず、真空ポンプによる減圧によってのみで温度を下げることを考案した。また熱交換及び流量などを詳細に計算し、4Kで0.5Wの出力を持つ冷凍機を使用すれば1.5KでO.2W得られる設計を行った。これに基づいて装置の組み立てを行いその性能を評価した。その結果、多くの問題点が明らかになったが、最終的には最低到達温度O.67Kを記録する装置の開発に成功した。また最低到達温度までの冷却時間は水素ヒートスイッチを取り付けることにより12時間で達することが出来るようになった。来年度はさらにこの装置の改良及び基礎データ収集を行う。また装置の小型化、簡便化さらにいろんな分野への応用も試みる。 一方加圧下での低温比熱測定はこの新しい冷凍機の振動がどの程度か調べ基礎データを集めた。その結果従来の断熱法では測定が難しいことから緩和法で行うことし、その予備的実験を行った。またより高い圧力下での測定を行うためにシリンダーが従来のCu-Be製より強度のあるNi-Cr-Al製の物に変え作成しその特性を評価した。その結果従来のセルより小型でありながら3GPaを超える圧力を発生することに成功した。来年度はこのセルを用いて上記の冷凍機による物性測定を試みる。
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