研究課題/領域番号 |
12555173
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研究機関 | 宮城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (40042262)
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研究分担者 |
生田 信之 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (50042255)
今野 一弥 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 助教授 (80270198)
鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校, 総合科学系理数科, 教授 (80187715)
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キーワード | Nd_2Fe_<14>B / HDDR処理 / Ga添加効果 / 微量添加元素 / マイクロアロイング / 水素処理 / XAFS |
研究概要 |
本年度は昨年に引き続き、HDDR処理におけるNd_<12.5>Fe_<bal>Ga_<0.3>Nb_<0.2>B_<6.2>中のGaとNbの役割を解明することにあった。 昨年の主にXAFSによる研究からNbはHDDR処理をとおしてFeNbB化合物として安定に存在していることがわかった。それに対してGaは水素化前の均一化処理後はNb_2Fe_<14>BのFe(4c)サイトを占有し、水素化による不均化状態においてはα-Fe中に、さらに再結合処理後は再びNb_2Fe_<14>B中のFe(4c)サイトを占有していることを明らかにした。 このようにGaはHDDR処理の各段階でNb_2Fe_<14>B→α-Fe→Nb_2Fe_<14>Bとその占有位置を変化させることが明らかとなった。しかしながら、このようなGaの占有位置の変化のみではHDDR処理におけるNd_<12.5>Fe_<bal>Ga_<0.3>Nb_<0.2>B_<6.2>の磁気特性改善とGa, Nb添加効果の関係は明らかとならない。そのため本年度はこのような結果をもとに、HDDR処理段階でどのような過程で占有位置を変化させるかについてさらに詳細に調べた。具体的には、不均化反応と再結合反応の各段階で、開始直後から数分以内でGaがどのように占有位置を変えるかをXAFSにより調べた。その結果、不均化および再結合とも、ほとんど反応開始直後においてGaはα-Fe中かNd_2Fe_<14>B中に移行していることが明らかとなった。このことから再結合過程においてはGaが存在するα-Fe部分から優先的にNd_2Fe_<14>Bの再結合が進行するということが明らかとなった。Nd_2Fe_<14>Bの再結合はα-Feの粒界からNdやBとの反応により開始するものと考えられるため、Gaを含むα-Feは粒界に偏析しやすいことが考えられる。このようにGaが不均化および再結合の初期に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。今後はGaを含むα-Feが果たして粒界付近に偏析しているかどうかをSEM分析やEDX電顕等で調べていく予定である。
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