研究課題/領域番号 |
12555174
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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研究分担者 |
木村 禎一 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10333882)
明石 孝也 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20312647)
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
地主 啓一郎 (株)フルヤ金属, DMLプロジェクト, 研究員
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キーワード | 強誘電体薄膜 / 不揮発性メモリ / チタン酸ジルコン酸鉛 / 耐水素特性 / 白金電極 / 疲労特性 / 銀電極 / 誘電率 |
研究概要 |
Pt/Ti/Sio_2/si基板上に化学溶液析出法(SCD法)によりチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)強誘電体薄膜を作製した。前駆体溶液には0.5mol/1のPb_<1.1>(Zr_<0.53>,Ti_<0.47>)0_3溶液を用い、スピンコート法により基板上に塗布した。塗布時の回転数および時間は5OOrpm 10s、3000rpm40sとした。塗布後、400℃ 3min仮焼した。塗布、仮焼を5回繰り返した後、700℃ 10min、酸素雰囲気で結晶化処理を行った。得られたPZTの膜厚は約400nmであった。PZT薄膜にスパッタリング法により、直径0.5mmのPtおよび本研究で開発したAg合金(Ag-Pd-Cu系)の上部電極を作製した。得られた素子を酸素中200〜500℃ 5minおよび500℃ 5〜30minの条件で熱処理を行った。相の同定にはXRD、電極表面観察には光学顕微鏡を用いた。P-Eヒステリシス測定による強誘電性の評価を行った。 PtおよびAg合金いずれの電極膜でも、熱処理による第2相の出現は認められなかった。Pt電極を用いた場合は400℃以上で電極の剥離が認められ、Ag合金電極の場合には300℃以上で表面に微小な凹凸が多数現れた。Ptを上部電極とした時のP-Eヒステリシスの熱処理による変化を調べた結果、300℃まではP-Eヒステリシスはほとんど変化しなかったが、500℃では残留分極が小さくなった。それに対してAg合金を上部電極とした時のP-Eヒステリシスの熱処理による変化を調べた結果、300℃以上の熱処理によって残留分極は減少したが、抗電界の小さな優れた特性を示した。さらに、500℃で熱処理してもP-Eヒステリシスの変化は認められなかった。
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