研究課題/領域番号 |
12555175
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島田 昌彦 東北大学, 多元物質化学研究所, 教授 (80029701)
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研究分担者 |
村上 恭和 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (30281992)
窪田 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10271975)
山根 久典 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20191364)
皿山 正二 株式会社リコー, 中央研究所・第5研究センター, 主席係長研究員
関口 隆史 物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 窒化ガリウム / 単結晶 / フラックス法 / 結晶成長 / 結晶構造 / カソードルミネッセンス |
研究概要 |
GaNのバルク単結晶をNa-Ga融液の出発組成γ_<N_a>(Na/(Ga+Na)モル比)を変化させ、700〜850℃、窒素圧力1〜5MPaの条件で作製し、得られた単結晶の特性を評価した。 750℃、窒素圧5MPa、γ_<N_a>=0.60、360時間の条件で約10.0×5.0×0.1mm^3の六角板状の無色透明の結晶が得られたが、多数のステップエッジやヒルロックが底面に存在した。800℃、N_2圧力3MPa、γ_<N_a>=0.60、250時間の条件で1.0×0.5×0.5mm^3を越える大きさのプリズム状単結晶が得られた。また、750℃、N_2圧力5MPa、γ_<N_a>=0.54、450時間の条件においても、1.0×0.5×0.5mm^3サイズのプリズム状単結晶を合成することができた。上述したように,温度と圧力条件を低温で高圧側から高温で低圧側にシフトさせるにつれて、GaN単結晶の形態は板状からプリズム状に変化する傾向があることが判明した。また、出発融液Na-Ga組成におけるNaの割合を減少させても、結晶形態は板状からプリズム状に変化する傾向があり、本研究において、GaNバルク単結晶の形態を育成条件で制御することを見出した。 (0004)面で測定したX線ロッキングカーブの半値幅は1mmサイズの板状結晶で25arcsec、5mmサイズの板状結晶で32arcsecであった。van der Pauw法により1mmサイズの板状結晶のホール効果を測定した結果、この結晶のキャリア濃度が1-2×10^<18>cm^<-3>、移動度が100cm^2V^<-1>s^<-1>のn型半導体であった。無色透明のプリズム状単結晶について、室温でカソードルミネッセンススペクトルの測定を行った。バンド端付近からの発光が365nm(3.40eV)で観察され、この発光以外のピークはみられなかった。これらの測定結果から、本研究で作製したGaN単結晶の品質が高いことがわかった。 本研究成果を基にして、15mm大の板状単結晶作成の条件を見出すとともに、種結晶育成の最適条件探索が今後の課題である。
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