研究課題/領域番号 |
12555176
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安盛 敦雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40182349)
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研究分担者 |
塚田 高行 (株)ジャパンエナジー, 中央研究所・石油技術商品研究室, 研究員
亀島 欣一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50251616)
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キーワード | 酸化鉄 / 酸化チタン / 固溶体 / 光電気化学 / 光電流密度 / 固相反応 / 可視光 |
研究概要 |
本研究では、数十μmの大粒径を維持しつつ、高光触媒活性なアナターゼ相チタニア多孔質粒子の作製にすでに成功している分相-選択溶解プロセスを用い、Fe_2O_3-TiO_2-SiO_2系焼結体を高温で溶融・超急冷して、酸化鉄-チタニア固溶体(Fe_<2-x>Ti_xO_3)連続相を有する複合材料を作製し、可視光応答性を持つ光触媒材料を実現することを目的とした。 本年度は最適な酸化鉄-チタニア固溶体を探索するために、種々の組成のFeO-Fe_2O_3-TiO_23成分系焼成体を固相反応法により作製し、生成結晶相と電気伝導性、電気化学特性の関係を調査した。α-Fe_2O_3、TiO_2粉末を原料とし、所定の組成になるよう湿式混合後、ペレット状に成形し1200℃〜1350℃真空下で焼成した。得られた試料について、X線回折測定により結晶相、固溶量等の解析を行い、固溶体の生成挙動を調査した。また直流2端子法により電気伝導度を、3電極法により可視光(>420nm)照射下での光電流密度を測定した。 その結果、焼成温度が低く、またTi含有量が増えるにつれて、生成結晶相はスピネル型固溶体からα相(コランダム構造)型、さらに擬ブルッカイト型固溶体へと変化した。光電流密度と電気伝導度の相関性はあまり顕著でなかった。α相型とスピネル型固溶体が同時に生成している試料で光電流密度が高かった。それらの試料では、α相型固溶体の割合の増加とともに光電流密度が増加したが、その割合が60%を越える付近から光電流密度は急激に減少した。これは焼成体の焼結性低下し、結晶粒界や空隙が増え、光励起された電子-正孔の再結合が起こり易くなったためと考えられる。 次年度は上記の知見を基に、Fe_2O_3-TiO_2-SiO_2系分相ガラスから光電気化学活性を示すα相型酸化鉄-チタニア固溶体を有する複合材料を作製し、可視光応答性を持つ光触媒材料の実現を進める予定である。
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