研究課題/領域番号 |
12555177
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
垣花 眞人 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50233664)
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研究分担者 |
VALERY Petrykin 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 中核的研究機関研究員
加藤 真吾 フルウチ化学株式会社, 研究員
佐々木 聡 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (10162364)
長田 実 理化学研究所, 基礎科学特別研究員
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キーワード | 水 / チタン錯体 / クエン酸 / 低環境負荷 / 水溶性錯体 / 環境調和機能 |
研究概要 |
本研究の目的は、従来から広く使われている(Ti・Nb・Ta・Bi)原料の問題点を解決し、水に安定に溶け毒性のない安全な新しい(Ti・Nb・Ta・Bi)含有化合物を設計・合成し、その用途開発を進めることである。本研究では、『水』が使えしかも生体に害のない有用金属錯体としてクエン酸ペロキソ錯体やEDTA錯体などを合成した。 本年度は水溶性チタン-(ペロキソ・オキシカルボン酸)錯体の開発にまず取り組んだ。金属チタンを過酸化水素水で処理してペロキソ化した後、ここにクエン酸、リンゴ酸、乳酸などを添加すると水に可溶なチタン-(ペロキソ・オキシカルボン酸)錯体が合成できた。このうち、クエン酸ペロキソ錯体について単離単結晶の元素分析ならびに熱分析を行い、また固体13C-NMR及び偏光ラマン散乱の測定を実施し、組成ならびに配位様式を明らかにした。 新しいクエン酸ペロキソチタン錯体がなぜ水溶性であるかを知るためには構造化学的な詳細な知見が必須である。そこで、このチタン錯体を単結晶として育成し、X線回折による精密な構造解析を実施した。その結果、Ti1個あたり1個のクエン酸と1個のペロキソ基が完全に覆うような構造をしていることが明らかになり、それが加水分解を抑制していると考えられた。 更に、水溶性チタン錯体を出発原料に用い、水を溶媒とした安価な薄膜・超微粒子製造法を検討した。TiO_2薄膜並びにBaTi_4O_9粉末を水溶液から作製し、その光触媒機能を調べた。
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