研究課題/領域番号 |
12555178
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町田 憲一 大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (00157223)
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研究分担者 |
佐々木 信夫 (株)玉川製作所, 技術開発課, 課長(研究職)
足立 吟也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029080)
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キーワード | 高性能永久磁石 / 希土類磁石 / ボンド磁石 / 金属間化合物 / 侵入型金属窒化物 / 温間磁場中プレス / 表面被覆 / 最大エネルギー積 |
研究概要 |
希土類永久磁石材料であるSm_2Fe_<17>N_xならびにNd_2Fe_<14>Bは、優れた固有磁気特性を有することに加え、その固有磁気特性を十分に発揮できる異方性磁石としての応用がなされている。これらは、特に樹脂で粉末を固めるため成形加工性や寸法精度に優れるボンド磁石への応用が期待されている。しかし、これらの磁石材料は、単独で高性能ボンド磁石とするためには高密度化する必要があり、成形時に高圧が必要となること、また、使用に際して酸化ならびに熱による磁気特性の劣化が生じることなどの問題点を有しており、これらの問題点を克服することでより広範囲な応用が期待されるものと考えられる。そこで本研究では、Sm_2Fe_<17>N_x粉末ならびに異方性Nd_2Fe_<14>B粉末を混合した複合型異方性ボンド磁石の作製を試みた。上記の混合粉末から作製した複合型ボンド磁石は、単独原料で作製したボンド磁石と比べ、高密度化すると共に、保磁力、残留磁束密度、ならびに最大エネルギー積が大幅に向上することが明らかとなった。一方、大気中での耐酸化性ならびに耐熱性の点においても改善することが可能であった。更に、本研究における複合型異方性ボンド磁石は、低い成形圧で作製したにも関わらず、高い成形体密度が得られ、これにより最大エネルギー積の密度依存性が小さいことが明らかとなり、低圧成形でも高性能ボンド磁石が作製できる可能性が示唆された。また、Sm_2Fe_<17>N_x粉末に対しては有機金属化合物の光分解を、Nd_2Fe_<14>B粉末に対しては金属蒸気収着法によりZn金属で表面被覆を施した粉末を混合し用いることで、高い磁気特性を有し、優れた耐酸化性を示す複合型異方性ボンド磁石を作製することが可能となった。
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