研究課題/領域番号 |
12555183
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
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研究分担者 |
小林 伸聖 (財)電気磁気材料研究所, 研究員 (70205475)
嶋 敏之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508)
三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20250813)
大沼 繁弘 (財)電気磁気材料研究所, 主任研究員 (50142633)
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キーワード | グラニュラー構造薄膜 / 軟磁性薄膜 / 微細加工 / トンネル効果 / 磁気抵抗効果 / 磁化過程 / 磁気抵抗素子 / 磁気センサー |
研究概要 |
トンネル磁気抵抗を示すグラニュラー薄膜を軟磁性金属薄膜のギャップに埋め込んだ「Gmular-In-Gap(GIG)構造」薄膜では、軟磁性金属層からの大きな漏れ磁束がグラニュラー薄膜に作用することによって低磁場で大きな磁気抵抗変化が得られる。このGIG構造薄膜は高感度の磁気センシング素子として応用が期待されるが、現状では物質及び構造の十分な検討がなされていない。そこで、本研究では現状のGIG構造薄膜をさらに発展させ、最適な物質系の組み合わせや、最適化された微小構造パターンを探索することにより、実用化に向けた研究を展開する。 12年度の主要な研究成果は、フッ化物系グラニュラー薄膜においてこれまでで最大の磁気抵抗比を見いだしたことである。CoFe-Mg-F薄膜において、室温、10kOeで13%を越える磁気抵抗比が得られ、これを用いたGIG構造薄膜は、約3Oeという低磁場で5%近い磁気抵抗比を示した。磁場感度は、従来のGIG薄膜に比べて2倍近く改善されている。 パターン形成に関しては、集束イオンビームを用いた種々の形状の加工や、フォトリソグラフィを用いた大面積のパターン加工を行い、新しい構造作製のための予備的実験を遂行した。 また、数値的方法による磁界解析も行った。その結果、上記の微細加工で作製可能なアスペクト比を有するギャップ内部において10kOe近い大きな漏れ磁場が生成し得ることが知見された。種々の軟磁性体構造パターンにおける磁化過程や漏れ磁場の挙動の解析は、今後の課題である。
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