研究課題/領域番号 |
12555190
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大山 昌憲 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50042685)
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研究分担者 |
藤田 安彦 東京都立科学技術大学, 電子システム工学科, 教授 (70099357)
伊藤 浩 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (40313043)
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キーワード | 低温結晶成長 / 層状化合物半導体 / ヘテロエピタキシー / ファンデルワールス結合 / テルル化ガリウム / セレン化ガリウム / 硫化カリウム / RFスパッタリング |
研究概要 |
本研究は、巨大異方性電子物性を示す層状化合物半導体のGaSe、GaS、GaTeについて、シリコン基板上及び非晶質である石英ガラス基板上で結晶化膜を作成し、層状結晶成長機構の解明及び、新たな化合物半導体の応用性を含めた低温結晶成長技術の開発であるが、本年度は以下のような成果が得られた。 工業的に応用が容易である電子ビーム蒸着法を用いた層状化合物半導体GaSe、GaSの成膜実験では、基板温度を上げることによってシリコン基板上及び石英ガラス基板上において結晶性を示す結果を得た。いずれの基板上においても基板面に対して垂直にc軸配向した結晶構造を示すことがわかった。特にGaSでは顕著にc軸配向性が現れ、シリコン基板上では比較的低温で結晶化することがわかった。蒸着速度を変化させることによって結晶性の影響を調べた。さらに、表面モルフォロジーの基板温度に伴う変化を原子間力顕微鏡によって観察し、その結果平均粒径と成膜温度とのアレニウスプロットからシリコン基板上及び石英ガラス基板上の結晶成長の活性化エネルギーを評価し、層状結晶成長機構についての知見を得ることができた。光学的特性として、可視紫外分光光度計を用いてGaSe及びGaS薄膜の光吸収係数を評価した。結晶化した膜ではバルク結晶と同等な直接遷移型のバンドギャップエネルギーを得ることができた。また、RFスパッタリング法を用いた成膜実験では、層状化合物半導体GaTeの結晶性を示す結果を得た。GaTe薄膜においても同様にファンデルワールス力で結合している結晶方向に成長する,つまり層状に結晶成長することが分った。また、反応ガスの分圧及び基板温度による結晶性の影響も明らかとし、応用性を含めたGaTeの結晶化プロセスの一知見を得た。
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