研究概要 |
(1)共振スペクトルによる構造材料の強度評価法の開発 欠陥部分の共振周波数は欠陥の厚さ大きさおよび弾性特性に依存することから、共振周波数の測定が構造部材の健全性評価に有用である。そこで昨年度検討したタイル・コンクリート系に加えて金属の大型板構造体の検査技術を検討した。その結果、振動励起用レーザーを高速走査して発生する板波の面内指向性が周波数により異なり、様々な方向からの散乱波が異なる周波数スペクトルを侍っことを利用して、欠陥の位置を迅速に測定する方法を見出した。この方法を250mm×250mmのアルミ板に適用した結果、1回のレーザー走査で走査中心から異なる方向にある3個の欠陥を測定でき、大型構造物の検査への有用性を確認した。 (2)粗面の振動計測法の高度化 レーザードップラー振動計やレーザー干渉計は、試料との相対位置を精密に調整する必要があり、走査による広域検査の自動化は困難である。そこで,検出用レーザーのかわりに励起用レーザーを走査する映像化技術を開発し、タイル・コンクリート系において有用性を実証した。 また,フォトリフラクティブ結晶(BSO)を用いたダイナミックホログラフィー振動映像法に、参照光の位相変調を用いた光ロックイン技術を導入することにより,フォトリフラクティブ結晶の時間応答性に制約されない振動の面分布映像化技術を開発した。 この映像化技術により、絞り加工を行ったアルミ板の振動モードを明瞭に実時間映像化できた。タイルヘの適用も検討し、適用可能性を持っことを見出した。
|