研究課題/領域番号 |
12555205
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉川 彰 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50292264)
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研究分担者 |
海田 博司 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10302811)
ステファン ダービン 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10301045)
福田 承生 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30199236)
和久 芳春 (株)超高温材料研究所, 主幹研究員
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キーワード | MGC材料 / 超高温構造材料 / 融液成長 / 共晶体 / 酸化物 / マイクロ引下げ法 |
研究概要 |
本開発研究は、一方向凝固酸化物共晶体(MGC材料)を対象材料とし「結晶作製技術の確立(バルクの形状制御法とファイバーの細径化)」、「新素材探索(三元系共晶体への展開)」、「複合化プロセスの最適化」の3つが核をなす研究課題であるが、初年度にあたる12年度はバルク体の形状制御法の開発と新素材の探索として三元系共晶体への展開を図り、それらの作製法を確立した。 具体的には、新素材探索として、Al_2O_3/YAG/ZrO_2という三元系共晶体の最適組成を突き止め、強度に最も大きく影響を与える微細組織の凝固速度依存性を明らかにした。 また、バルク作製に関しては坩堝形状を改造し、フラットな底面に複数の穴を等間隔に開け、それぞれの穴から融液を引き出すこと(マルチホール化)により、径方向に温度勾配の極めて少ない固液界面を実現させた。この方法により、Al_2O_3/YAG、Al_2O_3/YAG/ZrO_2のバルク作製(10mmφ)に成功した。 得られたバルク材、ファイバーに対しては、常温、高温における強度評価を行い、特に新たに開発した三元系共晶体において、1200℃、1000MPaが得られた。この値は1200℃における従来の世界最高値の約2倍であり、特筆すべき成果である。一方で、1400℃以上の温度下において強度の劣化が見られた。これは三元系にしたことによる融点の低下が原因と考えられるので、次年度からは更に高融点の三元系共晶体(YAlO_3/YAG/ZrO_2、Al_2O_3/LuAG/ZrO_2、Lu_2O_3/Lu_4Al_2O_9/ZrO_2)へ展開することで解決を図り、目標物性1500℃、1000MPaの達成を目指す。
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