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2000 年度 実績報告書

結晶制御技術を用いた超弾性銅合金材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12555209
研究機関千葉工業大学

研究代表者

本保 元次郎  千葉工業大学, 工学部, 助教授 (30157846)

キーワードCu-Al-Ni / OCCプロセス / 超弾性 / 一方向凝固組織 / 連続鋳造
研究概要

1.Cu-Al-Ni合金超弾性線の連続鋳造実験結果
加熱鋳型式連続鋳造法OCCプロセスを用いて直径2mmのCu-14%Al-4.1%Ni合金線を毎分30〜250mmの範囲での連続鋳造が行えた.しかしながら,現在の鋳造装置では次の問題点が明らかとなった.・鋳造装置内で1200℃にて合金溶製を行うため,一部Niが残存してしまうこと,・鋳塊への冷却水接触角度が大きすぎるため,鋳型側への冷却水の逆流が起こりやすいこと,・給湯管部分が異常昇温が発生しカンタル線ヒーターが断線してしまうこと等であり,これらの問題には早急の改善策が必要である.
2.Cu-Al-Ni合金超弾性OCC線の性質
OCC線の組織は,[001]方位に近い成長方向を持ち一方向に伸びたマトリックスのβ1相中にγ2相が点在する組織となり,鋳造速度が速まることによりγ2相の減少が見られた.また,それに従ってマルテンサイト-オーステナイト変態温度が低下し,鋳造速度110mm/min以下では形状記憶,鋳造速度130mm/min以上では室温においては形状回復率98%以上の超弾性現象を示した.応力-歪ヒステリシス曲線から,OCC材は単結晶材と同様に2段階の超弾性変形が起こることがあきらかとなり,その降伏点は鋳造速度が速くなるにつれて僅かに低下していく傾向が見られた.繰り返し90度曲げ疲労試験の結果,一般に使用されているTi-Ni合金超弾性線が2000回以下の少ない回数で破断したのに対し,OCC材(鋳造速度250mm/min)では破断までの回数が20000回以上と10倍以上の疲労寿命を有することが明らかとなった.

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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