研究課題/領域番号 |
12555212
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
入谷 英司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60144119)
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研究分担者 |
中塚 修志 ダイセル化学工業(株), 総合研究所, 主席研究員
向井 康人 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (30303663)
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キーワード | ダイナミックフィルター / コーン・プレート型フィルター / 回転円板型フィルター / 超微粒子 / ケーク掃流 / 濾過ケーク / 膜濾過 / ケークレス濾過 |
研究概要 |
本研究では、高圧縮性ケークを生成する難濾過性油水エマルションを試料に用い、コーン・プレート型ダイナミックフィルターによる濾過実験を試み、濾過特性に及ぼす種々の因子の影響について検討した。以下にその結果をまとめる。 1 コーン・プレート型ダイナミックフィルターがもつ高いケーク掃流性能により、長時間にわたる難濾過性超微粒子スラリーの高速濾過が実現でき、本法の優位性が明らかとなった。 2 種々の条件でコーン・プレート型ダイナミック濾過を行い、高圧縮性ケークを生成するスリラーに対しては最適圧力の決定が重要であること、回転速度の増大により飛躍的に濾過性能は向上するが、エネルギー消費量を考慮して最適な回転速度を決定する必要があること、乱流促進効果を狙ってコーン・プレートに多数の溝を設けるなどの工夫を施すことにより、さらなる高性能化に繋がることなどを明らかにした。 3 供給槽に濾液の返送を行わず試料液濃度が変化する濃縮濾過と、濾液を返送して濃度を一定に維持する定濃度濾過を行い、両者の濾過挙動を比較・検討した。その結果、濃縮濾過の濾過速度は、同一濃度において、定濃度濾過における平衡濾過速度よりかなり小さく値を示すことが明らかとなった。定濃度濾過では、定常状態でケークの形成速度と剥離速度が丁度等しくなって、濾過速度が一定値を示すが、濃縮濾過では、絶えず試料液濃度が増大するため、徐々にケークの形成が進行する擬定常状態の状態が常に保たれて濾過濃縮が進行する。こうした両者のメカニズムの相違が濾過速度の相違に結びついている。 以上より、本研究ではコーン・プレート型ダイナミックフィルターの優れた濾過性能を明らかにし、高性能なダイナミックフィルターの装置設計および操作指針を確立するための知見を得た。
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