研究課題/領域番号 |
12555216
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
薄井 洋基 神戸大学, 工学部, 教授 (20107725)
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研究分担者 |
菅原 均 ライオン(株), 研究開発本部, 主任研究員
鈴木 洋 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (90206524)
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キーワード | 省エネルギー / 界面活性剤 / 抵抗低減技術 / 空調 / 伝熱 / 流体輸送 |
研究概要 |
冷房時の熱媒温度は吸収式冷凍機の出口で約6℃、戻りで約10℃となるので、この温度範囲で熱交換器を流体が通過中にのみ伝熱低減効果を消失する装置(ミセルスクィーザー)を考案した。前年度に引き続き、急縮小と急拡大部を有するオリフィス型ミセルスクィーザーの形状と流速を変化させ、ミセル構造の破壊に関する設計指針を得た。さらに、スタティックミキサータイプのミセル破壊装置を考案し、熱交換器におけるミセルの構造破壊が可能であることを確認した。スタティックミキサータイプのミセル破壊装置の形状を各種変化させて、通常設定される熱交換器内流速において有効なミセル破壊を行わせるための装置形状を決定した。 陽イオン界面活性剤の内、4級アンモニウム塩の分子構造を種々変化させた物質について、ミセル構造の破壊と、構造回復時間を評価し、中で有望と考えられた塩化オレイルトリヒドロキシエチルアンモニウムとサリチル酸Naのモル比;1:1.5の水溶液を候補として選定した。現有の循環式流動伝熱試験機に吸収式冷凍機用伝熱管を設置し、上記の試験流体について抵抗減少と伝熱減少の実験を行った。伝熱減少実験の結果より、本試料は熱交換器において伝熱低減効果を回避できることが明らかになった。 以上の結果より、一応の熱交換器設計指針が得られたが、更に広範囲の装置条件に対して実験的研究を続行中であり、消費動力の低減効果を有効に利用する省エネルギー型冷房装置の最適設計手法を更に検討中である。
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