これまでの研究でイリジウムをSilicalite-1に担持させた触媒はO_2過剰存在下、SO_2共存下においてもNOの選択的還元性を有することがわかっている。なぜSilicalite-1がIr触媒の担体として有効なのか、またそれは担体の構造と相関があるのかを検討するため、構造の異なるSi-BEA等のゼオライトとメソポーラス物質であるSi-MCM-41を担体としてIr触媒を調製しNO還元活性を検討した。担体としてSilicalite-1、Si-BEA、Si-MCM-41を用い、Ir担持触媒の酸素過剰、SO_2共存/非共存雰囲気下でのCOによるNO選択還元活性を検討した。 SO_2非共存雰囲気下では、Ir/Silicalite、Ir/MCM-41においてNO転化率は350℃付近でそれぞれ46.3%、63.4%と最大値を示し、Si-BEAでは400℃付近で最大NO転化率、65.6%を示した。CO転化率はNO転化率と同様の温度域で最大となった。高温度域でNO転化率が低下するのは酸素によってCOが消費されたためと考えられる。SO_2共存雰囲気下では、いずれの触媒でもNO転化率は400℃で最大NO転化率が得られ、CO転化率は400-450℃で最大となった。一方、SO_2共存下においては、NO転化率が高温度域でも高いまま維持された。これはSO_2によってCOのNO還元への選択率が向上したためと考えられる。 SO_2非共存下では担体の違いにより最大NO転化率やその現れる温度域などに違いが見られたが、SO_2共存下ではいずれの触媒においても活性温度域は全般に400℃以上となった。
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