研究課題/領域番号 |
12555228
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
田中 三郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10271602)
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研究分担者 |
松澤 有希子 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10273335)
桂 進司 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (10260598)
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キーワード | ELISA / Immunoassay / SQUID / Magnetic Sensor / Superconductor / 抗原抗体反応 / 磁気センサ |
研究概要 |
抗原抗体の検出には、酵素標識検出法(ELISA:enzyme・linked immunosorbent assay)が最も広く使用されている。この方法は、抗体がアルカリ性のフォスファターゼ酵素によって標識され、酵素と反応した基質からの光の吸収を検出することによって測定される。しかし、ELISAには高いバックグラウンドが存在し、また、退色が生じるので長時間の観察が出来ないなどの欠点がある。近年、超伝導現象を利用したSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)磁気センサーの研究開発が進展し、液体窒素を冷却材として利用できるものも開発されている。SQUID磁気センサーは非常に高感度であり、抗原抗体反応の検出に利用できると思われる。我々は従来法である酵素標識検出法に代わる高温超伝導SQUID磁気センサーを用いた新しい抗原抗体反応検出法をの検討を行った。実験の結果、酵素法の場合は抗原(myosin)濃度が2μg/100μlから0.2μg/100μlの間で吸光度が抗原濃度に比例して低下した。そして、0.2μg/100μl以下の抗原濃度では吸光度が飽和して一定となっている。従って酵素標識検ELISAの抗原抗体反応の正確な測定範囲は、吸光度が変化してまた一定になる前の0.2μg/100μlまでであることがわかった。それに比べて、磁気標識法では、myosinの濃度と磁気反応の大きさとの間に比例関係があり、20μg/100μl〜0.0002μg/100μlまでの広い範囲で比例関係が見られた。これのことから、SQUIDによる磁気検出法は、酵素法より広い範囲で検出が可能であるということ示している。来年度以降、外部磁界を大きくすること、SQUIDとサンプルの距離を近づけることなど、システムを改善して磁気標識法の一層の感度向上を目指す。
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