研究課題/領域番号 |
12555229
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 和久 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30028849)
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研究分担者 |
宮坂 均 関西電力(株), 研究者
永瀬 裕康 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (00252700)
平田 収正 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30199062)
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キーワード | 微細藻類 / アオコ / NOx / バイオマス / 乳酸 / 重金属 |
研究概要 |
これまでボイラー等の排ガスに含まれるNOxを微細藻類を用いて処理するシステムの開発を行ってきた。この実用化研究を完全なものに仕上げるには、NOx処理により大量に生産される微細藻類バイオマスを有効利用するための検討が必要である。また、近年、水力発電用あるいは上水資源確保の目的で建設された人造湖の富栄養化が進み、アオコや淡水赤潮の異常発生による水質の悪化、景観上の問題が生じている。その対策の一つとして、微細藻類の回収が行われているが、その処分方法が未解決である。そこで本研究では、NOx処理により得られた微細藻類バイオマスおよびアオコや淡水赤潮バイオマスを有効利用するため、資源化技術の検討を行い、以下の知見を得た。 1.微細藻類バイオマス成分の分析 富栄養化の進む湖沼においてアオコの採集を行い、バイオマス成分の分析を行った。また、アオコの人工培養を行い、バイオマス成分の変化について調べた。その結果、採集したアオコはデンプン含有量が少ないが、人工培養を行うとデンプン含有量を増加することがわかった。 NOx処理を行わない場合と種々の条件でNOx処理を行った場合の微細藻類バイオマスの成分を調べたところ、NOx処理による成分の差はほとんどないことがわかった。 2.微細藻類バイオマスの有用物質への変換 NOx処理を行った微細藻類バイオマスからの有機酸の生産を検討した結果、バイオマス中のデンプンから乳酸菌により、乳酸が効率よく生産されることが明らかとなった。 3.重金属吸着特性 微細藻類バイオマスを用いて、Cd、Pb、Cu、Znの吸着除去が可能であることが明らかとなった。
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