研究課題/領域番号 |
12555237
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 九州大学 (2000-2001) |
研究代表者 |
前田 瑞夫 理化学研究所, バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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研究分担者 |
宝田 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30336010)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | DNA / キャピラリー電気泳動 / ポリアクリルアミド / 遺伝子診断 / 一塩基変異 / SNP / 分離分析 / ガン原遺伝子 |
研究概要 |
ある遺伝子におけるわずか一塩基の種類の違いが、重篤な疾病を引き起こしたり、薬剤耐性の個人差を生み出したりすることが明らかになっている。本研究では、短鎖DNAをリガンドに用いたアフィニティーキャピラリー電気泳動法を開発し、サンプルDNAを一塩基の違いで分離識別することを目指した。 短鎖DNAをキャピラリー内に固定する方法として、擬似固定法と壁面固定法の2つの手法を開発した。擬似固定法とは、短鎖DNAをグラフトしたポリアクリルアミド(DNAコンジュゲート)の水溶液をキャピラリー内に満たすことにより、リガンドDNAを間接的に固定化する手法である。リガンドDNAはポリアクリルアミドと複合化すると電荷/質量比が大幅に減少するため、電圧を印加しても泳動することなくキャピラリー内に留まると見なすことが出来る。DNAコンジュゲートは、5'末端をメタクリロイル基で化学修飾した短鎖DNA(DNAマクロモノマー)とアクリルアミドをラジカル共重合して得た。 一方、壁面固定法とは共有結合を介して、リガンドDNAをキャピラリー内に直接的に固定化する手法である。通常のキャピラリー内壁のポリアクリルアミド被覆処理において、DNAマクロモノマーをアクリルアミドに混入することにより、簡便にアフィニティーキャピラリーを作成することが出来る。 6量体DNAをリガンドに用いた擬似固定型および壁面固定型キャピラリーを作成し、12量体および60量体のサンプルDNAにおける正常型配列と一塩基置換型配列を、明確に分離した2本のピークとして検出することに成功した。さらに、ヒト組織から抽出した遺伝子をPCR法で増幅して得た60量体の実サンプルDNAを使用しても、明確な分離検出を達成することができた。本手法を利用した簡便かつ迅速な遺伝子の一塩基変異診断法の開発が期待できる。
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