研究課題/領域番号 |
12555244
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 靖彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20026066)
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研究分担者 |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (00303876)
後藤 琢也 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60296754)
萩原 理加 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (30237911)
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キーワード | 溶融塩 / 機能性材料 / 電気化学インプランテーション / 金属窒化物 / 希土類合金 / 電気化学ディスプランテーション |
研究概要 |
本研究は、機能性材料の形成法として有望な、「溶融塩中での電気化学インプランテーション/ディスプランテーション」に関して、そのメカニズムの解明および実用化への展開を目的としている。平成12年度は、雰囲気制御多目的グローブボックス内にステンレス製の特注電解セルを組み、種々の機能性材料を形成させた。まず、溶融LiCl-KCl-Li_3N中でTi電極を陽分極した際に起こる電気化学インプランテーションによるTi-N形成に関して、浴中へのLiH添加によりTi-N形成が格段に促進されることを見出した。また、そのメカニズムを明らかにするため、予め水素を注入したTi電極を用いて検討した結果、同様の促進効果が得られることが分かり、Ti-N中の窒素原子の拡散に電極中の水素が関与していることが分かった。また、溶融LiCl-KCl-Li_3N中で電極にFe、Al、Crを用いて電気化学インプランテーションを行い、機能性材料であるFe-N、Al-N、Cr-Nのを薄膜状に形成させることに成功した。ここでは、電気化学インプランテーション特有の利点である「電位による窒素濃度の制御」が可能であることも確認した。さらに、溶融LiCl-KCl-RECl_3(RE=Dy、Sm、Ce)中において、Ni電極を陰分極するとRENi_2相が選択的に形成することが分かった。その形成速度は1時間で30μm程度と、450℃における通常の固相拡散による形成と比較すると、非常に大きいことから電気化学インプランテーションに起因すると考えられる。さらに、一度形成させたRENi_2を電極として、陽分極により選択的にREを溶出させる電気化学ディスプランテーションを行うと、RENi_3、RENi_5等の他の合金相へ変化することが分かった。
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