研究概要 |
微小な液滴を発生させる装置として「振動オリフィス法」を用いた。この方法は,色素を含有するハイブリッドゾル原料液を,高周波で振動させた約20μmの孔径を有するオリフィスから噴出させて液滴とする。この液滴をガスとともに輸送させて溶媒を揮発させ,最後に界面活性剤を添加したアンモニア水溶液に捕集し固化させる方法である。原料液の濃度を変化させることによって,4〜10μmの粒径制御が可能であり,粒径の均一性は±0.1μmであることを明らかにした。この色素含有微小球を,QスイッチパルスYAGレーザーの第2高調波(波長532nm)で励起し,検出用光学系(検出器CCD)を用いることにより,微小球の屈折率と粒径に依存する光共振を生じ,レーザー発振することを確認した。 さらに本年度は,微小球に添加した各種レーザー色素のレーザー光励起による光安定性の向上をめざして,発振光の経時変化を測定した。経時劣化を最小にするための,最適な励起パワーは閾値に近いこと,また色素濃度も最適値が存在することを明らかにした。 現在,初期発振強度の50%まで劣化するには,ローダミン6Gでは,10万発,DCMでは24万発のパルスレーザー照射であることが明らかになっており,微小球共振器では,従来のファブリペロー型共振器の場合の10倍〜24倍に寿命がのびることが確認された。
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