研究概要 |
低融点ガラスとは100℃から数百℃の温度範囲で軟化・溶融するガラス材料の総称である.電気回路の絶縁材やブラウン管の電子銃の風着など電子部品に書かせない基幹材料の一つである.また,軟化温度が300℃程度以下の低融点ガラスは機能性の有機分子を分散することが可能であり,機能性の大きな有機物を安定なガラスホストに保持することにより高機能性(特に光機能性)の材料の実現が可能となる、しかしながら現在のところ低融点ガラス組成として用いられているものはほとんど全て鉛を主成分として含んでおり環境保護の観点から今後も継続して使用することは困難である.本研究では全く新たな低融点ガラス系として有機-無機ハイブリッドガラス系の開発および高機能化を目的とする.特に光機能性としての応用に着目し,大きなフォトリフラクティブ特性を有する新規低融点ガラスの実現を目指している.機能性有機物のドーピングと平行して用いることにより,高機能能動型光集積回路への応用が期待できる. ゾルゲル法あるいは酸塩基反応を用いることにより,数十℃から300℃程度の軟化温度を示すガラス組成の開発に成功した.これらは極性,非極性を問わず光機能性有機分子の溶解性が高く,従来の無機ガラスでは得られなかった光機能性を示すことが明らかになった.今後,当初の目的であるフォトリフラクティブ特性を賦与することにより集積型フォトニクス素子への応用が期待される.
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