研究課題/領域番号 |
12555252
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
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研究分担者 |
跡部 真人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90291351)
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キーワード | 電極触媒 / メディエーター / トリアリールアミン / 含フッ素β-ラクタム / ジフルオロメチレン基 / 脱硫フッ素化 / ダイヤモンド電極 / フッ素系生理活性物質 |
研究概要 |
本研究は電解フッ素化に適した電極触媒の設計と選定を通して、フッ素系機能性材料や生理活性物質の創製などを指向した電極触媒的電解フッ素化プロセスを新たに開拓することが主目的であり、本年度は以下の成果を得た。 1.医薬品開発のためのフッ素系生理活性物質の創製 (1)β-ラクタムは抗生物質の重要な骨格であり、フッ素の導入により生理活性の増強が期待される。そこで、α-位にスルフェニル基を有するβ-ラクタムを選定し、電解脱硫フッ素化を試みたが、陽極の激しい不動態化が起こり、フッ素化は殆ど進行しなかった。そこで、これを克服すべくトリアリールアミンを電極触媒として電解したところ、脱硫フッ素化が円滑に進行し、好収率で含フッ素β-ラクタムを得ることに成功した。(2)gem-ジフルオロメチレン基はエーテル酸素と電子的にも立体的にも等価であり、このユニットを有する化合物には特異な生理活性を発現するものが多いことから、安全かつ効率的な方法が望まれている。そこで、モデルとしてジチオアセタール類を選定し、トリアリールアミンを電極触媒に用い、電解脱硫フッ素化を行ったところ、陽極の不動態化を併発することなくジフッ素化が効率良く進行し、目的としたgem-ジフルオロメチレン化合物を高収率で得ることに成功した。 2.ダイヤモンド電極による有機化合物の選択的フッ素化 ダイヤモンド電極が白金電極と同様に有機化合物の電解フッ素化法に対し、優れた電極触媒能を有することを見出した。
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